Today, September 21th, is World Alzheimer’s Day!
本日9月21日は“世界アルツハイマーデー”です。
先日、世界アルツハイマーデーを含めた世界アルツハイマー月間について触れましたが (ニュース記事はこちら)、本日はアルツハイマー病の治療薬の開発についてSMCの考えを発信したいと思います。
現在のアルツハイマー病治療薬はFDAの承認薬としては5種類(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン、アデュカヌマブ)があります。
これらの治療薬は、神経細胞の働きを補うものと、アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβを脳内から取り除くものに分けられます。現状として、この5種類の治療薬ではアルツハイマー病の根治には至らず、発症を遅らせるような効果しか得られておりません。
アルツハイマー病の原因は脳内でアミロイドβが過剰に蓄積することであると考えられているものの、脳内で色々な現象が起こる複合的な病気であるため、単一の原因や現象にフォーカスした治療薬のみではなく、複合的な作用を発揮する治療薬やいくつかの治療薬の組み合わせが治療の鍵になるかもしれません。
アルツハイマー病は、アミロイドβの過剰な産生と蓄積により脳内の恒常性が破綻することから、免疫細胞が活性化し脳内で慢性炎症が起こることが考えられます 【Reference】。この脳内炎症は、アルツハイマー病発症前から発症まで病態に関与しています。さらに、アミロイドβの産生に脳内炎症が関与することも報告されていることから 【Reference】、脳内炎症もアルツハイマー病の原因の一つであるかもしれません。
したがって、アルツハイマー病の治療には、①アミロイドβの排除や阻害、②神経の活性化と保護 に加えて、③脳内の炎症を抑制し適切に制御することが重要なのではないかと考えます。
SMCではアミロイドβに依存しない脳内炎症を呈するアルツハイマー病モデルマウスとして、icv-STZモデルマウスを用いた薬効評価試験を提案することができます。
当社のサービスやicv-STZモデルにご興味・ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
■「国際アルツハイマー病協会」(Alzheimer's Disease International; ADI)
■Reference
Kinney et al., Alzheimers Dement (NY). 2018.
■icv-STZモデルについてはこちら