STAM™ Mice Is The Best NASH model For Microbiome Therapeutics Study
腸内細菌叢に着目した非アルコール脂肪肝炎 (NASH)の治療薬開発と、STAM™マウスを用いた研究例についてご紹介いたします。
腸内環境を変化させることにより、疾患の治療や予防に結びつける試みが現在世界で活発に行われています。
非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)においても、腸管透過性の亢進やDysbiosis、胆汁酸の代謝異常等を介して、NASH病態と腸内細菌叢との関連性が示唆されており、治療ターゲットとして注目を集めています [1-3]。
Guoxiangらは、STAM™マウスでは、腸内のBacteroidesやClostridiumの増加をはじめとした腸内細菌叢の変化が起き、それらは血中や肝臓のLPS濃度の上昇やNAFLD Activity Scoreの上昇と相関したことを報告しており、腸内細菌叢はNASHの進行に伴って変化することを示唆しています。また、これらの腸内細菌叢の変化はヒトNASHでも観察されております [4, 5]
STAM™マウスを用いたNASH薬効評価試験例
■Tsumura & Co. (JPN)は、大柴胡湯を投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreや腸内細菌の多様性が改善されたことを明らかにしております。また、それらの腸内細菌の変化がNASH病態に相関したことも裏付けております。
詳細はコチラ ► Ishizawa S et al., Gene. 2022
■MRM Health NV (BEL)は、ヒトの腸内常在菌9種類を投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積、NASHのバイオマーカーCK-18が有意に減少したことを明らかにしております。
詳細はコチラ ► Pinheiro I et al., Biomedicines. 2022
■GN Corporation Co. Ltd. (JPN)は、2種類のβ-グルカンを投与したSTAM™マウスにおいて、NAFLD Activity Scoreおよびシリウスレッド陽性面積、腸内細菌の多様性が改善されたことを明らかにしております。
詳細はコチラ ► Ikewaki N et al., J Clin Exp Hepatol. 2022; Preethy S et al., BMJ Open Gastroenterol. 2022
以上のことから、STAM™ マウスは腸管細菌叢に着目したNASH治療薬開発に適した病態モデルマウスであると言えます。
腸内細菌に着目したNASH/NAFLD関連の治療薬開発や研究のプロジェクトをお持ちの方は、STAM™マウスを用いたin vivo試験を検討してみてはいかがでしょうか。
ご関心やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
引用文献
- Zhu L et al., Hepatology. 2013
- Luther J, et al. Cell Mol Gastroenterol Hepatol. 2015
- Tsay CJ, et al. Clin Liver Dis (Hoboken). 2022
- Kolodziejczyk AA, et al. EMBO Mol Med. 2019
- Sharpton SR, et al. Clin Gastroenterol Hepatol. 2019