NASH, the fastest growing cause of liver cancer
本日は、肝がんと非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)の関連性についてご紹介したいと思います。
Changing global epidemiology of liver cancer from 2010 to 2019: NASH is the fastest growing cause of liver cancer (Huang et al., Cell Metab. 2022)
こちらの論文では、世界のNASHを罹患した肝がんの死亡者数が急速に増加していることを報告しております。
非常に興味深いことに、本論文によると、2010年から2019年にかけて、がん患者の大部分を占めるB型肝炎とC型肝炎による肝がん死亡者数は減少してきましたが、一方で、NASHを罹患した肝がんの死亡者数が急速に増加していることが明らかになっております。
ウイルス性肝炎由来の肝がんについては、ワクチン接種によるウイルス性肝炎の予防を通じて肝がんの発症を抑えられる可能性が示されており (Chang, et al. Gastroenterology. 2016)、克服できることが予想されます。
しかしながら、NASH由来の肝がんについては、現段階ではNASHの予防方法や治療方法はなく、またNASH患者は増加することが予想されているため、NASHに起因する肝がん患者も増加し続けることが予想されています (Estes, et al. Hepatology. 2018; Llovet et al., Nat Rev Dis Primers. 2021)。
これらのことから、当社は、NASHに起因する肝がんの発症を抑えるための創薬や基礎研究が非常に重要であると考えています。
当社が独自で開発したSTAM™モデルマウスは肝がんを自然発症する世界初のNASH-肝がんモデルマウスです。16週齢から腫瘍が形成し始め、20週齢時には100%肝ガンを発症します。
STAM™ モデルマウスを用いた肝がん試験は、これまでに30件以上実施し、15件以上の論文発表と学会発表を行った実績がございます。一例として、クライアント様がSTAM™モデルマウスを用いた肝がん治療試験を実施し、被験物質の抗腫瘍効果が確認されたと報告されたものがございます (Okrah et al. NPJ Precision Oncology, 2018)。
貴社の候補化合物について、弊社のSTAM™モデルマウスを用いて肝がん治療薬として開発を進めるのはいかがでしょうか。
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