MOA demonstration #1【microbiota 】| MASH treatment and fibrosis prevention study targeting gut microbiota in STAM mice
本日は、2022年5月Biomedicines誌にてベルギーのMRM Health社の研究チームにより発表されたSTAMマウスを用いた9種類の腸内常在菌からなる細菌コンソーシアムの薬効評価試験の実証例について、ご紹介をいたします。
Title: A Nine-Strain Bacterial Consortium Improves Portal Hypertension and Insulin Signaling and Delays NAFLD Progression In Vivo – PubMed (nih.gov)
(Pinheiro I et al., Biomedicines, 10, 1191, 2022) PMID: 35625927
STAMマウスを用いて、9種類の腸内常在菌を5週齢から9週齢の4週間強制経口投与を実施することで、NAFLD Activity scoreおよび血清CK-18値の減少、肝線維化の進展抑制することを報告しております。本報告は、腸内常在菌であるFaecalibacterium prausnitzii, Butyricicocccus pullicaecorum, Roseburia inulinivorans, Anaerostipes caccae, Roseburia inulinivorans, Akkermansia muciniphila, Phocaeicola vulgatus, Veillonella parvula, Blautia obeumによるNAFLD Activity scoreおよび肝線維化の進展を示した初の報告となります。
腸内細菌叢は、MASH-肝癌の発症に関与していることが知られており、創薬ターゲットとして注目されています(He LH et al, Front Microbiol., 12, 761836, 2021)。
STAMマウスは、Atopobium spp., Bacteroides spp., Bacteroides vulgatus, Bacteroides acidifaciens, Bacteroides uniformis, Clostridium cocleatum, Clostridium xylanolyticum, Desulfovibrio sppの増加を特徴とするdysbiosisを示すMASH-肝癌モデルです(Guoxiang X et al, Oncotarget, 7, 19355-19366, 2016)。STAMマウスは、現在までに報告されているdysbiosisを伴うMASH-肝癌モデルの中では、唯一MASH-肝癌病態を再現したモデルであり、このモデルを使用することで脂肪肝から肝癌まで幅広く評価することが可能になります。実際にFMTおよびインスリン投与により、腸内細菌叢の改善を介した発癌の抑制が報告されております(Soeda K et al, Nat Commun., 14, 6584, 2023)。
STAMマウスを用いた、腸内細菌叢をターゲットした非臨床試験に関心はありませんか。例えば、以下の腸内細菌叢をターゲットととする被験物質をお持ちの研究者の方が対象となります。
表. 腸内細菌叢をターゲットとする被験物質
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