MOA実証#4 【Gut-Liver Axis】|STAM™マウスを用いた、腸肝軸を介した化合物のMASH治療効果の検証例
本日はSTAM™マウスを用いた、腸肝軸に着目したMASH薬効評価試験の例をご紹介いたします
MASH患者ではマイクロバイオームの変化やLeaky Gutなどが示されています(Lixin et al., Hepatology, 2012; Jay et al., CMGH, 2015)。
実際にMASHマウスモデルを用いた解析からLeaky Gut、細菌の異常増殖、腸内毒素症などの腸肝軸の機能障害が、炎症や線維化の進行に寄与することが示されています(Samuele et al., Hepatology, 2013; Lau et al., BioMed Res. Int.,2015)。
これらのことから、腸肝軸に着目したMASHの治療および予防研究が進められております。
STAM™マウスは、Atopobium spp., Bacteroides spp., Bacteroides vulgatus, Bacteroides acidifaciens, Bacteroides uniformis, Clostridium cocleatum, Clostridium xylanolyticum, Desulfovibrio sppの増加を特徴とするdysbiosisを示すMASH-肝癌モデルです(Guoxiang X et al, Oncotarget, 7, 19355-19366, 2016)。
また、STAM™マウスは、現在までに報告されているdysbiosisを伴うMASH-肝癌モデルの中では、唯一MASH-肝癌病態を再現したモデルであり、このモデルを使用することで脂肪肝から肝癌まで幅広く評価することが可能になります。実際にFMTおよびインスリン投与により、腸内細菌叢の改善を介した発癌の抑制が報告されております(Soeda K et al, Nat Commun., 14, 6584, 2023)。
これまでの腸肝軸に関連した薬効評価において、STAM™マウスでは漢方や便微生物叢移植(FMT)、細菌コンソーシアム、機能性素材などの被験物質を評価した実績があります。
以下に、腸肝軸に関するMASHおよびMASH-HCCの薬効評価試験の被験物質ごとの論文リストを記載いたしましたので、ご参考にご覧ください。
■Nine-Strain Bacterial Consortium:Pinheiro I et al., Biomedicines. 2022 May 20;10(5):1191.
■Kampo (daisaikoto): Ishizawa S et al., Gene. 2022 Dec 20;846:146856.
■beta-glucan: Preethy S et al., BMJ Open Gastroenterol. 2022 Sep;9(1):e000985.
■FMT / Insulin: Soeda K et al.,Nat Commun. 2023 Oct 18;14(1):6584.
■Kampo (Bofutsushosan):Nishiyama M et al., Pharmacological Research – Modern Chinese Medicine, 2024, Volume 11, 100440
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