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2024.06.19

MOA実証#2【adiponectin】|STAM™マウスを用いた薬効評価試験「adiponectin-derived peptideによるMASHおよび線維化進展の抑制効果」

AdiponectinやadipoR1 , adipoR2などをMOAとした、MASH治療薬開発における非臨床試験についてご紹介いたします。

 

 


adiponectin-derived peptide ALY688STAM™マウスを用いた薬効評価試験の実証例

The adiponectin‐derived peptide ALY688 protects against the development of metabolic dysfunction‐associated steatohepatitis – Huang – 2024 – Clinical and Translational Science – Wiley Online Library
(Zhe Huang et al., Clinical and Translational Science, 17, e13760, 2024) PMID: 38847320


 

本論文は、アメリカのAllysta Pharmaceuticals社の研究チームにより、Clinical and Translational Science誌にて発表されたものです。

 

STAMマウスのほかCDAHFDモデルマウスも用いて、ALY688の薬効評価試験を行っております。

これらの試験から得られたデータをもとに、ALY688のanti-NASHおよびanti-fibrosis効果について報告しています。

AdiponectinやadipoR1 , adipoR2などをMOAとしている場合、STAM™マウスを用いてNASH治療効果を検証することが可能です。

 

 

理想的なMASH (NASH)モデルについては、いくつか文献で報告されておりますが、そのすべて項目を満たしているモデルは現在のところ存在しておらず、少なくとも2種類以上のMASHモデルを用いた薬効評価試験をすることが推奨されております(Daniel Jahn et al, Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis., 1865, 943-953, 2019, Prasanna K. Santhekadur et al, J Hepatol., 68, 230-237, 2019, Henrik H Hansen et al, Drug Discov Today, 22, 1707-1718, 2017)。

下記に、STAMマウスとCDAHFDの比較表を示します。STAMマウスは2型糖尿病を背景に、MASH、線維化および肝癌とヒトMASH病態と同様な病態進行を示しますが、線維化については肝硬変までには至りません。一方で、CDAHFDは代謝異常の背景はないものの、シビアな線維化を示すモデルです。両モデルを用いた薬効評価試験を実施することで、両モデルの短所を補完することができ、被験物質のMASH病態に対するポテンシャルを最大限評価できます。

 

表1. STAMマウスとCDAHFDの比較表

Comparison table of STAM mice and CDAHFD model

 

当社は、STAMマウス、CDAHFDモデルのほか、GAN diet、HFHF、MCD、WD +CCl4といった疾患モデルの背景データを有しており、お客様の試験目的から至適のMASHモデルをご提案いたします。

 

当社のMASHに関する薬効評価試験サービスにご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。