Introducing our new model: Liver Orthotopic Xenograft mouse model
癌モデルにおいて腫瘍の微小環境を含めて評価が可能な肝臓同所移植モデルの新規提供開始をお知らせします。
医療の進歩に伴う寿命の延長により癌患者の死亡者数は増加の一途を辿っています。
そのため、治療薬開発の需要は高く、多くの臨床試験が実施されていますが、前臨床試験での成功に反して、臨床試験での成功には大きな壁見られます。
原因の一つとして、ゼノグラフトモデル使用の影響が考えられます。
ゼノグラフトモデルは癌研究を行う際、細胞株の利用により簡便に目的の癌腫に対する薬効評価を行うことが可能です。
しかしながら、ゼノグラフトモデルを用いた前臨床試験と臨床試験の結果における相関関係は低いことが報告されています(Johnson et al., Br. J. Cancer., 2001)。
そこで注目されるのが、同所移植モデルであり、このモデルでは腫瘍を取り巻く環境を含めた評価が可能となっています。
腫瘍微小環境の重要性については過去に報告がされており(Min et al., Curr. Opin. Genet. Dev., 2008)、腫瘍細胞と組織特異的間質細胞との相互作用は、腫瘍の成長、分化、および薬剤感受性に影響を及ぼすことも報告されています(Douglas et al., Nat Med. 2010)。
同所移植モデルでは比較的安価に腫瘍微小環境の影響を含めた試験が可能となり、ゼノグラフトモデルよりも有益な結果を得られることが期待されます。
お手持ちの化合物を評価する際に、まずは同所移植モデルを用いて効果の確認を行うのはいかがでしょうか。