新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するSMCラボラトリーズの取組み

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する当社の対応について

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延につきまして、皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早く感染の終息を心よりお祈り申し上げます。
当社は、引続き各方面からの情報収集を迅速かつ適切に行い、日々刻々と変化する情勢を正確に捉え、各国の関係機関とも一層の連携を行いながら、必要な対応を速やかに実施してまいります。

また、当社は、革新的医薬品の創出を支援する企業として、全従業員・関係者の方々への安全確保を第一に努めた上で、業務の継続を最大限の努力をもって維持し、これまでと変わらぬ品質にて、サービスの提供を行ってまいります。

当社でのCOVID-19に対する具体的な取組み

COVID-19の社内外への感染拡大抑止と、全従業員・関係者の方々の安全確保のため、時差出勤や勤務時間の短縮、在宅勤務を実施しております。また、事業運営が可能か否か継続的に確認し、営業部門では電子メールやWEB会議などのリモートツールを使用することで従業員ならびにお客様と密にコミュニケーションを取りつつ、サービスの品質維持に努めております。特に、サービスの品質維持に関しては、ビジネスの継続と安定提供を最大限考慮したうえで、原材料や外部委託先と緊密な連携を行い、適切な水準を維持しており、当面のサービス提供において問題はありません。
当社は、引続き各方面からの情報収集を迅速かつ適切に行い、日々刻々と変化する情勢を正確に捉え、各国の関係機関とも一層の連携を行いながら、必要な対応を速やかに実施してまいります。

 

 

Latest updates

当社は、COVID-19世界的蔓延に対して、非臨床CROとして技術的専門性を最大限活かし、社会的な貢献について追求してまいります。
本項では、日々アップデートされるCOVID-19に関する知見の中で、当社のサービスに関連性があるものを掲載してまいります

2020.10.15

Covid-19の治療のためのレムデシビル—最終報告書/ The New England Journal of Medicine 2020年10月8日

この論文は、COVID-19に対するレムデシビルの有効性に関する適応COVID-19治療試験(ACTT)の結果を示しています。 データは、下気道感染の証拠があった入院患者の回復までの時間を短縮する点で、レムデシビルがプラセボよりも優れていたことを示唆しています。
レムデシビルは最近、COVID-19の治療薬としてFDAによって承認されました。

2020.06.30

COVID-19 and the liver-related deaths to come/Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology. 2020 Jun 11
関連: 肝臓

COVID-19は様々な代謝疾患により重篤化することが報告されており、非アルコール性の肝疾患(NAFLD/NASH)の患者でも重篤化リスクが報告されております[Pawlotsky, J., Nat Rev Gastroenterol Hepatol,2020]。

NAFLD/NASHは上市されている治療薬がない為、新薬の開発がなされてきましたが、COVID-19感染後の重篤化リスクが報告されたことにより、新薬の開発はこれまで以上に急務となると考えられます。
新薬の開発では非臨床段階で適切なモデルを選択することで、臨床試験をより円滑に進めることが可能となります。

今回ご紹介させていただくSTAMTMマウスはNAFLD/NASHの優れたモデルであり、弊社独自の特許モデルでございます。STAMTMマウスは以下の様な特徴をもちます。

  • 脂肪肝・炎症・線維化・発がんといったNAFLD/NASH患者で見られる病態を再現
  • 高血糖、高脂血症、Ⅱ型糖尿病様の症状を持つ
  • 臨床試験のEndpointである、NAFLD Activity Scoreや線維化の組織学的解析が実施可能
  • STAMTMで試験した化合物でNAFLD/NASHの臨床試験Phase2以上に進んだ化合物が15件

肝硬変やHCCなどの肝疾患をターゲットとした創薬研究や、既存薬の適応拡大にも、STAMTMを活用していただけますので、ぜひお問い合わせください。

2020.05.26

The epidemiology and pathogenesis of coronavirus disease (COVID-19) outbreak/Journal of Autoimmunity.2020 Feb 26
Clinical pathology of critical patient with novel coronavirus pneumonia (COVID-19)/Preprints. 2020 Mar 9
関連:肺

COVID-19患者ではSARS-CoV-2の感染、及び継続的な炎症により下記表に示す特徴が観察されています(Rothan et al., J Autoimmun., 2020; Weiren et al., Preprint, 2020 )。
同様の特徴が突発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis, IPF)患者とBleomycin(BLM)-induced IPFモデルマウスにおいても報告されています(Li et al., Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol., 2008; Le et al., J Immunol., 2014 )。

弊社では肺線維症モデルとしてBLM-IPFモデルを保有しており、上記の項目に関してqPCR、 ELISAや病理学的解析を用いて解析することが可能です。

ウイルス感染による肺損傷の予後症状としてIPFを発症することも報告されているため、開発の必要性が高まっています。線維化の予防・治療に関しまして研究をされる方がいらっしゃいましたら、IPFモデルをご活用するのはいかがでしょうか。

2020.05.19

COVID-19: A New Virus, but a Familiar Receptor and Cytokine Release Syndrome/ Immunity. 2020 May 19

COVID-19重篤化の原因の一つとして、SARS-CoV-2の感染により上昇したNF-κBなどを介して、IL-6のポジティブフィードバックが起こる「IL-6 Amplifier (IL-6 Amp)」を取り上げています。
関連:肺

2020.05.15

The Society for Immunotherapy of Cancer Perspective on Regulation of interleukin-6 signaling in COVID-19-related Systemic Inflammatory Response/ J Immunother Cancer. 2020. May 7

サイトカインストームで発生するサイトカインの調節機構や、治療標的とした場合の使用可能な治療候補薬について説明しています。特にIL-6を注目すべき治療標的としています。
関連:肺

2020.04.24

Chest CT manifestations of new coronavirus disease 2019 (COVID-19): a pictorial review. / Eur Radiol. 2020 Mar 19.
COVID-19患者のCT画像解析において、肺の線維化が観察されています。
関連:肺

現在、COVID-19の世界的な感染拡大に対して、診断・治療法の開発が急務となっております。
COVID-19は肺炎だけでなく、肝臓、腎臓、腸などその他臓器にも影響を引き起こす可能性が示唆されています。また、最近の報告では肺の線維化についても着目され始めています。

COVID-19はsevere acute respiratory syndrome (SARS) と同じくbeta-coronavirus classに属するウイルスであり、SARS流行の際は感染の数週間後には線維化が観察されはじめていたことが報告されています。また、その後の追跡調査において、1年経過後のSARS生存者の20%以上に肺線維化が観察されたことから、肺線維化が長期的な問題であることが分かります [David S. Hui et al., Chest., 2005; Lixin Xie et al., Respir Res., 2005]。COVID-19患者においても、CT画像を用いた解析において線維化の症状が観察されたことが報告され、今後線維化の問題が浮上することが推察されます [Zheng Ye., European Radiology, 2020]。

当社では肺の線維化モデルとしてIdiopathic pulmonary fibrosis (IPF) モデルを保有しており、多くの試験経験がございます。
ウイルス感染による肺の損傷によりIPFを発症することも報告されているため、COVID-19の流行が落ち着いた後に開発の必要性が高まることが推察されます。
COVID-19による線維化の予防・治療に関しまして研究をされている方がいらっしゃいましたら、今後のニーズを踏まえてIPFモデルをご活用するのはいかがでしょうか。
各国CROの営業停止や縮小などがございますが、当社はこの困難に立ち向かい、医薬品開発の発展に寄与するため、引き続きCROサービスをご提供して参ります。

2020.04.24
Liver injury during highly pathogenic human coronavirus infections. / Liver Int. 2020 Mar 14
COVID-19重症患者では、肝障害の発生頻度が高いことが報告されています。
肝細胞および胆管細胞は、SARS-CoV-2の細胞侵入に必要なACE2を発現しています。
関連:肝臓
2020.04.20
The origin, transmission and clinical therapies on coronavirus disease 2019 (COVID-19) outbreak - an update on the status. / Mil Med Res. 2020 Mar 13 
COVID-19重症化のリスク因子として、糖尿病やCOPD、高血圧などの基礎疾患が紹介されています。
またCOVID-19の合併症として、ARDS、腎臓、肝臓への障害が報告されています。
関連:Diabetes、肝臓
2020.04.17
The 1-year impact of severe acute respiratory syndrome on pulmonary function, exercise capacity, and quality of life in a cohort of survivors. / Chest. 2005 Oct
こちらは、2003年に蔓延したSARS-CoVによる重症急性呼吸器症候群(SARS)に関わる文献です。COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2と同じbeta- coronavirus classに属する
SARS-CoVでは、発症一年後においても肺の線維化が認められております。
関連:肺

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