2024.03.14

わずか5%の承認率を選択しますか?疾患モデルマウスの選択で変わる承認率

癌治療薬の上市を目指す場合、疾患モデルマウスを選択するためには、ヒトの癌患者で見られる特徴を多く備えているモデルマウスを選択すべきです。これは、比較的発想しやすく、どのような疾患でも当てはまる普遍的な考えだと思います。癌治療薬開発ではこれまでゼノグラフトモデルが一般的に使用されており、癌腫瘍の評価に対して優れている面はあるものの、癌微小環境の再現や腫瘍の不均一性、免疫細胞の評価が出来ない等の課題があります。

 

さらに、このモデルで効果が見られた化合物の中で、United States Food and Drug Administration (FDA)によって承認された化合物は僅か5%という驚きの結果があります。
Hutchinson et al., Nat. Rev. Clin. Oncol., 2011

このことからも、これまでの慣習や過去の経験が必ずしも考えに合った試験が出来ていないと言えるのではないでしょうか?肝癌の治療薬としては、レンバチニブ、ソラフェニブといった分子標的薬の他、近年アテゾリズマブ+ベバシズマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブといった免疫チェックポイント阻害剤が臨床の現場で使用されています。
(Chen C et al, frontiers in Immunology, 14, 1133308, 2023)

これら化合物の評価を考えると、免疫細胞の評価や癌微小環境の再現が重要であることが、想像できると思います。以下にて、上述したポイントについて、4つの癌モデルの比較を行った表をご覧下さい。

 

 

その他のモデルを含め、さらに詳細な比較をおこなった結果はこちらから詳しくご確認できます。

https://www.smccro-lab.com/jp/news/details.php?news=196

繰り返しますが、あなたが癌治療薬の上市を目指す場合、疾患モデルマウスを選択するためには、ヒトの癌患者で見られる特徴を多く備えているモデルマウスを選択すべきです。

それを実現させるためには、多くの病態モデルの中からあなたにあったモデルマウスを提案できる非臨床CROをパートナーにすることが必要です。

わたしたちはこれまでSTAMTM-HCC/IO+モデルを用いて、800以上の薬効評価試験を実施し、多くのMASH/NASHやHCC治療候補薬を評価してきました。

私たちが保有している膨大なノウハウによりお客様が研究に専念できるお力添えができれば嬉しく思います。